娘に喰わせてもらってます。

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【2dfe00094】娘に喰わせてもらってます。 桜すずか

都内でも指折りのお嬢様校への入学が決まった時、私より喜んだのは母だった。朝はまずお花の水やり。旧校舎への渡り廊下を抜け、礼拝堂でお祈り。金木犀の香りに包まれながら授業を受け、級友たちと夕方まで部活。男子禁制の学び舎で恋愛話に夢中になって、‘いつか私も恋とかしちゃうのかな’なんて夢見ながら帰宅する…。それが私の学校生活、私のすべてだった。壊れたのは2カ月ほどまえ。順調だった父の事業が大きな損失を抱えたのだ。すべてを立て直すには生活レベルの見直しが必要だったが、住んでる場所も、ハイブランドの衣服も、何一つ諦められない母がそれを許さなかった。ある日、会社の経営者だと名乗るオジサンを母に紹介された。「スズカの初めてをね、この人が高く買ってくれるって」 私はそのとき母になんて答えたのか覚えていない。覚えているのはたくさん泣いたことと、オジサンの歪んだ笑顔と、下半身の鈍い痛みだけ。それから母は父に内緒で色んな男の人を連れてきては、お金と引き換えに私を抱かせた。どれだけ私が嫌がっても、家族のためだ、私のためだと、怒鳴られた。今日もまた知らない場所に連れていかれる。私にできることはもう、早く時が過ぎ去るように目を閉じて祈ることだけだった――。虚栄心に囚われた母の呪縛から逃れられない…健気で哀れな少女のおはなし。
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【2dfe00091】娘に喰わせてもらってます。 天美めあ

「オッサンとちょっとエロいことするだけやん! なんで助けてくれへんの!」 泣きベソかきながら喚くママ。「最近できた友達と東京で店出すことにしてん」なんて胡散臭い話に乗っかって大阪から東京に引っ越したものの、その友達とやらとは音信不通。預けたお金もどこへやら。職も貯蓄も失って、途方にくれたママが思いついたのが私に頼ることだった。顔合わせで1万円、カラオケデートは2万円、手つなぎハグはプラス5千円。それ以上は要相談。私の見た目と若さに釣られたオッサンがスケベ顔で小遣いをくれる。確かに地元ではパパ活してたし、清純ぶるつもりも無いけれど、オッサンの相手はいい加減ダル過ぎて、こっちじゃマジメにやろうと思ってたし、そもそも親がいうセリフとは思えないんですけど? なんて拒否ったらこの始末。泣き散らかしてヒスるママに、ニヤけ面のキモオヤジ。地獄みたいなこの状況に泣きたいのはコッチなんだけど…。「メアちゃんありがとう! ママ頑張るからね!」 受け取ったお金を嬉しそうに仕舞い込んで部屋を出て行くママ。「言うこと聞いてあげるんだ? 良い子だね」 生臭い息に私が顔を背けると、オッサンは笑って肩を抱き寄せた。母とふたり、ずっとこれまで生きて来た。だからこれからも母を見捨てられない。大人たちに利用された哀れな少女のおはなし。